今度は岐阜城の秀吉のもとへ、知らせがかけつける。
「小牧山の家康が、池田と森の追い討ちに出ました!」
と、伊賀忍者の某田某之助だ。
「出陣じゃ!すぐさま家康の後を追って、決戦を挑むぞ!」
 留守の備えは日根野備中と黒田官兵衛にまかせ、八百の手勢を率いてひた走る。 こちらは一万六千の大群を岡崎に向かわせているのだから、挟み撃ちの手勢は八百でも 十分という心づもりだ。
「いくぞや、いくぞや。行く先は三河にあらず。長久手じゃぞ!」
 長久手あたりが決戦場とにらんだ。駆けつけた頃には、おそらく戦の真っ最中だろう。
「急げや、急げ。信輝らが家康にもちこたえているうちに、追いつけ。」
 そのとき、わきの野道から声がかかった。

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