第九回気団
気温や湿度などの性質の広い範囲にわたって
同じである空気の大きなかたまりを気団とい
う。例えば夏の小笠原近海では、大規模な高
気圧におおわれ、空気があまり動かないため、
海水の影響を受けて、高温でしめった気団が
できる。また、冬のシベリアでは、冷たい地
面の影響を受けて、低温で乾いた気団ができ
る。このように、気団は、海洋上や大陸上の
大規模な高気圧の中でできる。日本付近にで
きる主な気団(シベリア気団、オホーツク海
気団、揚子江気団、小笠原気団)で、北側の気
団は冷たく、南側の気団はあたたかい。また、
大陸の気団は乾燥していて、海洋の気団はしめ
っている。これらの気団が、高気圧の発達や動き
にともっなって、日本に近づいたり、一部が離
れて移動してきたりして、日本の天気を複雑に変
化させている。