食品のアレルギー表示
消費者が食べても大丈夫な食品を選べるように、アレルギー物質を含む食品の表示は、全ての流通過程における食品や添加物に必要であると「食品表示法」によって定められています。
食品表示法の前身である食品衛生法の2001年の改訂で、原材料のアレルギー表示が義務化されました(加工食品の原材料表示義務化も同時に行われました)。
それ故、きちんとしたアレルギー表示が始まったのは21世紀に入ってからということもできます。
特定原材料
食物中に含まれていたら必ず表示しなければならないアレルギー物質を「特定原材料」といい、以下の7品目が定められています。これらのアレルギー物質は、発症すると症状が重くなりやすい、もしくは症状例が多いものです。
<義務品目> 乳、卵、小麦、そば、落花生、えび、かに
特定原材料に準するもの(推奨品目)
その他、食物中に含まれていたら表示することを推奨されているアレルギー物質を「特定原材料に準するもの」といい以下の20品目が定められています。これらのアレルギー物質は、過去に一定の頻度で健康被害が認められたものです。
<推奨品目> あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、バナナ、ごま、カシューナッツ
このうちごまとカシューナッツは、2012年~2013年にかけて推奨品目に追加された新しい物質です。
表示方法
表示方法は、上の図の通りです。
保健所などの機関が、正しくアレルギー表示がされているかを監視しています。
- 販売元の事業者が原材料や製品の仕入れをする時に、アレルギー物質の有無を把握しているかどうかを聞く
- 食品を試験検査する
の2つの方法により行います。
もしも表示の不備を発見した際は、表示が訂正されるまで販売を行わないよう指導します。必要に応じては、営業許可の取り消しや営業の禁止もできます。
注意!含まれていても表示されない場合
表示することが義務となっている「特定原材料」が含まれていても表示されない場合があります。
- 飲食店、量り売り惣菜などの店頭販売
- 店内で調理する場合
- パンなどのその場で包装されるもの
「可能性表示」は逆に禁止
「含まれているかもしれません」などのような可能性表示は逆に禁止されています。消費者が食べられるものをいたずらに少なくすることになるからです。
製造ラインなどで混入してしまう可能性がある場合
食品製造の際に原材料とは使用していないにも関わらず特定原材料などが混入してしまう場合があります。これをコンタミネーションといいます。
そのため、コンタミネーションの可能性がある場合は注意喚起を行います。コンタミネーションの表示は義務ではありませんが、消費者庁によって推奨されています。
注意喚起の表記例
- 本製品の製造ラインでは、落花生を使用した製品も製造しています。
- とうもろこしの輸送設備等は大豆、小麦の輸送にも使用しています。
- 本製品で使用しているアサリなどの二枚貝には、かにが共生しています。
- 原材料の魚はえびを食べています。
- 本製品で使用しているしらすは、えび、かにが混ざる漁法で捕獲しています。
コンタミネーションを表記する際に注意しなければならないのは、前述したように可能性表示はしてはいけないということです。
アレルギー表示の実例
つみれ
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原材料表示とアレルギー表示 |
コンタミネーション表示 |
そうめん
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アレルギー表示とコンタミネーション表示 |
アレルギー表示がない例(店舗販売)
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サンドウィッチ |