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I型

皆が俗に言う「アレルギー」は、たいていこのI型アレルギーに分類されます。このアレルギーは、危険性が低い抗原の情報が送られる先であるTh2が異常に多く存在するときに起こるものです。

解説動画   この項目の内容を、理解しやすいようにまとめたものです。


音声が出ます。 周囲にご注意ください。

① Th2への抗原提示

マクロファージと樹状細胞は、危険性が高いウイルスや細菌を検知した場合にはTh1に抗原提示を行うのに対して、危険性が少ないアレルゲンを検出した場合にはTh2に抗原提示を行います。

Th2と、Th1はB細胞に対して抗体を作らせます。しかし、Th2は「IgE抗体」という種類の抗体を作らせてしまうのです。Th1はIgE抗体を作らせることはできません。このIgE抗体が後々厄介なことを引き起こすのです。

② ヒスタミン

IgE抗体は、「肥満細胞」に結合していきます。このことを「感作」といいます。感作された肥満細胞は、自分自身の中に入っていた「ヒスタミン」を放出します。このヒスタミンが皮膚に付着すれば皮膚の炎症が起こり、気管に付着すれば気管が縮みぜんそくが起こります。これがアレルギー反応になります。

③ IL4、IL13

Th2は、「インターロイキン4」「インターロイキン13」という物質を使って、B細胞にはたらきかけを行うのですが、なんとこれらの物質は、樹状細胞にIgE抗体と結合しやすくするための「受容体」をつくってしまうのです。

④ 樹状細胞にできたIgE抗体の受容体

受容体とは、特定の物質や物と組み合わせやすくするためのタンパク質で、細胞表面にあります。樹状細胞にIgE抗体の受容体ができるということは、樹状細胞とIgE抗体が結合しやすくなるということです。IgE抗体は抗原、つまりアレルゲンと結合しやすいので、樹状細胞がより多くのアレルゲンを取り込んでしまうのです。このようなこともあって、アレルギー反応はますます悪化してしまいます。


I型アレルギーは、アレルゲンが侵入してから実際に反応が出るまでの時間が短いという特徴があるので、「即時型アレルギー」とも呼ばれています。

アレルゲンの例としては、花粉、食物等で、症状の例としては、皮膚症状、粘膜症状、呼吸器系症状、消化器系症状等です。慢性化すればアトピー性皮膚炎、気管支ぜんそくなどを起こしますし、重篤化すればアナフィラキシーショック等も起きます。

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