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皮膚症状
主な症状
皮膚症状では、以下のような症状が主に挙げられます。
じんましん、発赤、かゆみ、腫れ、発疹、湿疹、口周りの腫れ、顔の腫れ、口周りのかゆみ
◎症状の解説
症状 |
説明 |
じんましん |
蚊に刺されたような赤い膨らみ。かゆみを伴う。抗ヒスタミン薬が有効。 |
発赤(ほっせき) |
皮膚や粘膜の一部の充血。 |
発疹(ほっしん) |
皮膚に見られる何かしらの変化を示す総称。 |
湿疹 |
赤い膨らみ。時間がたつと水っぽくなりかゆみが増す。ステロイド薬が有効。 |
また、これらの症状が含まれる代表的なアレルギー疾患として、アトピー性皮膚炎が挙げられます。
アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は慢性的な湿疹及び皮膚の炎症のことを言います。良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。I型とIV型に分類されます。
この病気の原因は大きく分けて「体質的要因」と「環境的要因」です。
体質的要因
アトピー性皮膚炎患者の多くの人が「アトピー素因」というものを持っています。言い換えると、「アトピー体質である」ということです。これは遺伝的なもので、このような人は通常よりも過敏な体質になっていて、IgE抗体免疫グロブリンが多く生成されてしまいます。また、IgE抗体はストレスや環境汚染などの環境的要因によっても過剰に分泌されます。これによってもアレルギーになりやすくなります。
環境的要因
「アレルゲン物質が何らかの影響により弱った肌に侵入することで起きる」ということです。「弱った肌」というのは具体的には「乾燥した肌」のことです。皮膚組織には水分を保つための角質層というのがあり、ここで角質細胞と細胞間脂質からなる組織が水分を閉じ込めているのですが、これが破壊されるとアトピーを発症しやすくなります。先ほど「何らかの影響」と言いましたが、これには以下のような物質が挙げられます。
- シャンプーなどに含まれる「合成界面活性剤」
⇒これは石油の精製過程でできる「ナフサ」という物質から作られるのですが、これは油と結びつきやすい性質があります。そのため使用すると皮膚膜を溶かし、さらにその下の角質層までダメージを与えてしまいます。
- 活性酸素や塩素
⇒塩素は角質細胞を破壊し細胞間脂質を外へ出してしまいますし、活性酸素は細胞間脂質と化学反応することで角質細胞膜を破壊します。これらの物質は紫外線や化学物質、ストレスなどによって私たちの体に影響してきます。
この二つの原因によって過敏かつ弱くなった皮膚にダニやハウスダストなどのアレルゲンが加わるとIgEが反応してアトピーが発症します。アレルゲンは人によって様々ですが主にダニなどの死骸や糞、ハウスダスト、花粉などがあげられます。
症状
重症度具合によって以下の四段階に分けられます。
段階 |
症状の内容 |
軽微 |
肌の乾燥によってカサカサする程度です。 |
軽症 |
カサカサに加え赤いぶつぶつもできてきて、かゆみを伴います。また皮膚が若干ささくれたようになり白い粉を吹いているように見えます。 |
中等症 |
軽症で言ったような症状がさらに悪化します。さらに赤く腫れた部分が硬くなり、ひっかいた痕が残るようになります。 |
重症 |
皮膚が腫れて赤くなって盛り上がり、粉を吹いたようになり、皮が剥け落ちる症状がひどくなります。また、無意識に掻いてしまうほどひどいかゆみに襲われます。 |
予防対策
一番大事なのはスキンケアを欠かさないことです。前述のように皮膚が弱くなったらアトピー性皮膚炎になる可能性は高まります。しっかりと適切なスキンケアをすることで皮膚のバリア機能の低下を防げます。また、アレルゲンがたくさんあるような環境も改善するべきです。布団やカーペット、エアコンなどもこまめに洗い、しっかりと換気しましょう。
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