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ステロイド薬
ステロイドとは、腎臓の上にある副腎(ふくじん)という臓器の副腎皮質から分泌されるホルモンで、体内の機能のバランスを調整しています。しかし、薬品としても利用することが可能で、炎症や免疫そのものを抑制させることができ、局所の炎症などのアレルギー症状を強力に抑え込むこともできます。ただ、副作用も多いので注意して使う必要があります。
ステロイドは以下のような場面で使われます。
- アトピー治療
- ぜんそく治療
- 手発疹(手荒れ)の治療
- 自己免疫疾患の治療
- 炎症を抑える
免疫を抑える仕組み
ステロイドは、マクロファージという細胞の働きを抑えてしまいます。このマクロファージは、最初にアレルゲンをキャッチしてその後の免疫システムを動かすもととなる細胞です。それ故、それ以降の免疫システムが動かなくなるのです。
未投与 | |
投与後 | |
副作用
- ステロイドは細胞の増殖も抑えてしまうことがあります。こうなると、皮膚が薄くなり毛細血管が浮き上がって拡張されます。結果、皮膚が赤くなります。
- 皮膚表面の免疫の働きを抑えるので、細菌やウイルスの感染にかかりやすくなったり、皮膚上にニキビができやすくなったりします。
- 外部からステロイドを投与することに慣れてしまうと、自分の体内でステロイドを作り出す能力が低下してしまいます。結果、自分の体内のステロイドが行っていた生理作用が減症し次のような弊害が生じます。
- 身長が伸びなくなる
- いろいろな感染症にかかりやすくなる
- 骨や筋肉が弱くなる
- アドレナリン、ノルアドレナリンの減少により精神不安定になる
ドーピング違反とステロイド薬
ステロイド薬には糖質コルチコイドという成分を含んでいるものがありますが、これを無許可で使用するとドーピング違反になってしまう場合があります。それ故、運動選手などは薬を服用するときに、この物質が含まれていないかなどによく気を付けなければなりません。どうしてもこの薬を使用しなければならないときは、TUE申請というものを行う必要があります。
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