「青鞜」創刊号 (一)そぞろごと〔抄〕             与謝野 晶子  

○ 山の動く日来る。 かくいへども人われを信ぜじ。

山は姑(シバラ)く眠りしのみ。

その昔において 山は皆火に燃えて動きしものを。

されど、そは信ぜずともよし。

人よ、ああ、唯これを信ぜよ。

すべて眠りし女(オナゴ)今ぞ目覚めて動くなる。           〜「青鞜」発刊に際して