概要 ページの先頭へ |
不景気で、仕事が減ったから労災が減ったかというとそうでもありません。それがリストラに潜む闇です。新興IT産業にも問題があります。
リストラ ページの先頭へ |
不景気で、会社はリストラを行いました。それに伴った大量の解雇や早期退職勧告も行われました。リストラは、やめさせられた人だけがつらいのではありません。仕事が多少減っても、行う人が減るのですから逆に一人当りの仕事量は増えます。つまり、リストラにあわなかった人もたいへんになるわけです。
労災の発生原因 ページの先頭へ |
労災は、人的要因、設備的要因、管理的要因によって起こります。
人的要因とはやる気があるか、危険がないかの確認をしているか、チームワークやリーダーシップはどうかなどの要因です。労災の被害者のみならず、その会社の上司や、仲間にも原因が上げられる場合があります。
設備的要因とは危険のないような設備をしているのか、どのような作業手順か、疲労はどうかなどの要因です。これは次の管理にも関係しますが、会社の責任による所が多いでしょう。
管理的要因とは組織や、規定はどうなっているのか、どのような計画を立てているのか、評価はどうか、職場教育をしているのか、などの要因です。これは、主に会社の問題による所が大きいでしょう。健康診断などをきちんと行えば、予防にもつながります。
サービス残業 ページの先頭へ |
特にエリートの社員や官僚に多いのがサービス残業で、残業といっても、会社に届出をして、残業手当をもらうようなものではなく、自分の時間のはずのアフターファイブに、手続きをしないで残って業務を執り行うものです。これを行う要因としては「みんながやっているから、やらないと...」「やると昇進が近づく」などで、お役所の滅私奉公などが悪名が高いです。この問題点は、残業の時間に一切の法律的制限がなく、結局、週に45、50時間を働いていても、「本人の意思だから」といえばどうしようもないことです。すると、過労がたたって病気にかかりやすくなりますし、集中力も切れ、怪我などもしやすくなります。
労災の模式図 ページの先頭へ |
新興ITベンチャー ページの先頭へ |
日本でもベンチャー企業が続出して、そこに就職する人も出てくるでしょう。最初は創業者とパートナー2、3人だったのが、成功をすると、仕事が追いつかなくなるために雇うようになります。そのときに、問題となるのは労災です。保険に入っている所はよいのですが、中には資金繰りに困って入らない所もあるし、仕事がこないときはフレックス制だの何なのと休ませるけれども、いったん注文が入ると 1日12時間労働などをする所もあるらしいのです。
この問題は、従業員の少なさや、資金繰りや注文の不安定さなどのベンチャーの特質を原因とするので、簡単には治らないでしょう。そこで、まずは、保険料を納めているかや、残業協定を確認する必要があります。
結局ベンチャーはハイリスクハイリターンなのです。成功すれば、20代で部長になれるかもしれないし、失敗すれば、会社の倒産と共に放り出されるか、過労などで労災に遭うのです。
まとめ ページの先頭へ |
これからは、自己責任が大切になります。しかし、それだけではだめです。重要になるのは、情報であろう。そこで、提案するのは、自分の労働条件を入力すると、代わりに他社の社員の労働条件を教えてくれる MLか、ウェブサイトです。
知りたい人は、自分の労働事情を教えてくれるので、輪が広がります。これを、会社が何社も共同で出資して行うわけです。誰が投稿したかがわからないシステムにして、投稿を増やします。こうすれば、この会社はこうだ、あの会社はこうだというのがわかります。うまく軌道に乗った後は、月に1度、雑誌形式にまとめれば、新卒の就職希望者(このシステムの場合は就労していないと見ることができないので)をターゲットに売ることができます。
つまり、雑誌を主な収益に、サイトを収集と啓蒙に使うシステムです。
社会にゆとりが無いのでは、ゆとりを持った教育ができません。親が過労や労災に苦しんでいるのでは、人格の形成は難しいのです。ゆとりをもった社会に会社のほうが働きかける必要があるのです。
参考ホームページ、その他 |
外井浩志氏『働く者の健康安全衛生と保障』
中央経済社,2000