概要 ページの先頭へ |
少年院は、なぜ非行や犯罪を犯すのかという原因をなくすることで、犯罪を犯した少年がまた元の素直な少年となって育ってもらえるようにと正しく教育をする場所です。
少年院は7種類 ページの先頭へ |
少年院は普通の非行少年のための初等少年院と中等少年院があります。初等少年院は14歳以上でほぼ16歳未満の少年用で、中等少年院は、ほぼ16歳以上20歳未満の少年用です。少年の犯罪傾向が進むと、特別少年院に入ります。ここは、ほぼ16歳以上、23歳未満の少年が入ります。心の異常や体の異常がとても大きい少年は医療少年院に入ります。ここでは、14歳以上、26歳未満の少年が入ります。
これまでで4つしか少年院を紹介していません。では、残りの3つは何でしょうか?それは、医療少年院以外では、男女が別々の施設になっているので、その3つが加わるからです。
少年院での矯正 ページの先頭へ |
少年院では、入院する少年、一人一人に合わせてどのような対処をする事で、目的を達成できるかを考え、実行します。その主な処置は、3つに分かれます。まず、最も早く改善する可能性が高く、鍵などがない状態でも、逃げないし、危害を加えないということが想定される少年には特修短期処遇が行われます。
特修短期処遇の内容は、人によって異なりますが、まず、1週間前後オリエンテーション、面接と助言、課題作文、行動訓練などを行います。次に、8週間ほど少年院からの通学・通勤や、保護者や監督者宅からの通学・通勤を行いながら、院内でのホームルーム活動や、資格を取得したり、運動や部活などを行います。そして、出所前は、2週間ほど、各種活動のリーダー体験や、院外での奉仕活動や社会見学を行い、面接や作文により、生活設計を確認します。
次に、早く改善する可能性が高い少年は、一般短期処遇が行われます。一般短期処遇の内容も、人によって異なりますが、少し長くなるために、教科の教育や、職業上の指導、そして、退院後の進路の指導などを行います。
最後に、じっくりと腰を据えて非行を見つめる必要のある少年に対しては長期処遇が行われます。長期処遇の内容も、人によって異なりますが、生活訓練を行ったり、職業能力を開発したり、教科の勉強を受けたり、それ以外の勉強をしたり、心身の異常を直したりします。
少年院での日常的な指導には、健全な物の見方や考え方を教えたり、どのように動くべきかを指導する生活指導や、働く喜びを教え、職に就く際に必要な技術や能力を修得する職業補導、学ぶ喜びを教え、基礎的な学力をつける教科教育、健康を自分で管理し、体力をつけるための保健・体育そして、自主的活動やレクリエーション、行事などの特別活動があります。その他には、学校や会社、識者などにお願いして、院外での教育も行っています。つまり、少年院では、刑務所のような服役を行う機関ではないのです。しかし、少年院で矯正されたはずの少年がまた犯罪を犯す再犯率は25%ほどと、高いのが現状です。
個人と集団 ページの先頭へ |
非行少年が、20人くらい集まって、嘱託や保護司の例えば牧師さんだとかお坊さんだとかの話しを聞いても、ほとんど効果がないといわれます。それは、集団としての非行少年は、年上などのいわゆる「リーダー」の目を気にして、「このように行動すると彼にどう思われるか」ばかり考えるようになるからです。しかし、個人個人の非行少年と顔をつき合わせると、少年は変わるといいます。少年自身の持っている素直さが出るそうです。このように、個人との1対1での指導が意味を持ちます。だからといって、これだけでよいわけがありません。それは、グループでは自分が出せないというのでは、せっかく個人として反省しても、退院後、またグループに戻るかもしれないということです。つまり、再犯が行われないようにするには、グループのいわゆる「雰囲気」、「力」に負けない意思を持つしかないのです。
点数 ページの先頭へ |
聞くところによると、点数というのがあって、ある少年院だと、大過なく1月過ごせば3点で、事故、つまり喫煙や喧嘩を起こすと減点され、30点前後で仮退院だそうです。つまり、退院するまでの少年を減点方式で計っていることになります。これではいけません。少年が、改心するその度合いに応じて、点数をどんどん加えていく、そんな加点法が望ましいのではないでしょうか。
(上記の様に書きましたが、「くもりのち晴れ」管理人さんから親切なメールがありまして、
少年が入院してから仮退院するまでには4段階の処遇段階(2級下〜1級上)を経ます。それぞれの段階では,各少年の問題に応じて「個人別教育目標」が設定(普通は3〜4つ)されます。また,規範意識や基本的生活態度などの,「共通項目」という評価項目が5つあります。
これらの項目について毎月評価し,それぞれの処遇段階の期間(長期少年院の場合,通常2〜4か月),成績が一定の水準にあれば,次の処遇段階に進級できます。成績は5段階評価(a〜e)の,絶対評価で行われます。少年院法8条1項2には「点数」という語が使われていますが,現在(もう20年以上)上記のように運用されており,決して減点法で評価を行っているわけではありません。
つまり、減点法ではなく、絶対評価で行っているということです。訂正させていただきます。情報提供をどうもありがとうございました。)
少年院退院後 ページの先頭へ |
退院といっても、ほとんどが仮退院です。つまり、何か悪いことをすれば即少年院に戻るのです。この状態では、ほとんどが保護司などが観察をして、その状況が報告されます。
しかし、犯罪を犯した少年の社会復帰には大きな問題が残ります。まず、少年の就職先や、学校が見つかりにくいということです。いわゆる「前科」持ちには、だれもが厳しいのですが、少年院の外では、だれもがその人のしたことをその人を見る材料にして、「公正」に扱います。つまり、会社が、同じ力量の少年院へ行った人と、行っていない人がいれば、行っていないほうを採用するなとは言えません。結局、薄給だったり、就職後のいじめなど、退院後のケアが重要になります。安定した生活は、犯罪から少年を遠ざけます。
提案 ページの先頭へ |
最後に提案です。まず、少年院に、外の見学者が行きやすくしましょう。それによって、「刑務所」というイメージから「教育所」というイメージに変わります。たしかに、プライバシーの問題はありますが、今の閉鎖性のままでは、少年の入る刑務所と思われてしまいます。
次に、少年院内では、少年の改悛を、減点法ではなく、加点法でみていきましょう。
最後に、少年院退院後のケアの為に、暴力団や、暴走族から離れた職場や学校で、「今」の自分を見てくれる職場には、例えば国が補助金を出すなど、就職しやすくするなど、再入院を避ける努力が重要なのではないでしょうか。
参考ホームページ、その他 |
稲葉振一郎様
「なぜ人を殺してはいけないの? 」
稲葉振一郎のホームページ
<http://www.e.okayama-u.ac.jp/~sinaba/kawade.htm>
1998 (2000年12月)
中国放送様
「少年犯罪の心理」
中国放送
<http://www.rcc.net/comitia/theme13/result13a.htm>
2001(2001年3月)
SAMUSHI様 「なぜ殺人がいけないか」
テツガクのページ
<http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4075/000622.html>
2001(2001年3月)
宮本裕様
「人を殺すことはなぜいけないのか」
宮本裕の頁
<http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/miyamoto/ikenaikorosi.htm>
2000 (2000年12月)
阿部 涼子
「なぜ人を殺してはいけないか」
雑感
<http://www.pluto.dti.ne.jp/~ryoko-a/10602.html>
2001(2000年12月)
S_HIDEO様
「なぜ人を殺してはいけないのか」
volatile2
<http://ueno.cool.ne.jp/hideo/text/zakkan/zakkan.htm#000219>
2000 (2000年12月)
タカショー様
「たかが少年院」
<http://members.nbci.com/disease_age/>
2000 (2000年12月)
法務省様
「少年院」
法務省
<http://www.moj.go.jp/KYOUSEI/kyouse04.html>
2001(2001年3月)
兵庫県生涯学習振興室様
「保護司」
ひょうごインターキャンパス
<http://www.hyogo-intercampus.ne.jp/navi/ha/hogosi.htm>
2001(2001年3月)
2000 (2000年12月)
毛利甚八作、魚戸おさむ画『家栽の人』
小学館,1988