TOPIC1-1.アジア地域の戦争と紛争

5. クルド人の国家建設を求める運動
 
国土とその歴史
 
クルド人は独自の国家を持っていません 。中東のトルコ、イラン、イラク、シリアやアルメニアなどの国々の国境付近に分散しており、その数を合わせると1500万人にもなると言われています。
20世紀初頭、クルド独立運動組織が結成され、第一次世界大戦後には自治権を得ることができたのですが、イギリス・フランスの主導によって、再び国境に分断されてしまうことになります。
以後、クルド人の独立運動はそれぞれの国に対して活動することになりました。つまり、イラン国内のクルド人はイラン政府に、トルコ国内のクルド人はトルコ政府に独立運動を展開したのです。
その中でも、トルコではクルド人の存在そのものを否定する姿勢だったので、クルド人の抵抗は過激なものになりました。トルコ政府は、クルド人解放運動の党首オジャランを逮捕し、死刑を宣告しましたが、報復テロを恐れて、現在、刑執行は延期されています。
 
現在の情勢
 
トルコ政府のオジャラン党首への対応は、今後のクルド問題を大きく左右するものと思われます。
また、国内のクルド人と対抗する政府は、隣国で独立運動をするクルド人を支援する立場を取っており、大変複雑な状況となっています。
和平に至るにはまだ見通しが立っていないのです。



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