|
イギリスの西隣にあるアイルランドには、もともとケルト人が住んでいましたが、12世紀ごろ、ヨーロッパ大陸の流れを汲んだイギリス人が侵攻し13世紀にはアイルランドの大半を支配しました。
その後、アイルランド人の抵抗によってイギリス人を追い出すことに成功したのですが、 それが16世紀になると、再びイギリスの侵攻に遭います。イギリスはこのころローマ教皇の支配化を抜け、イギリス国教会(プロテスタント)を国教にしていました。そして、カトリックを信仰するアイルランドの人々に対してイギリス政府はアイルランドにもプロテスタント信仰を強要したのです。
アイルランド人は激しく反発をしましたが、イギリスに惨敗し、特に戦いが激しかったアイルランド北部のアルスター地方では人口の大半が死亡し、イギリスにその土地を没収されてしまいました。
イギリス政府は、プロテスタントを信仰するイングランドやスコットランドの人々にこの土地への移住を奨励し、分け与えました。
これが北アイルランド問題の原点となったのです。
その後、イギリスの支配下にあったアイルランドは独立を求めて運動を続け、1949年にようやく正式にアイルランド共和国が成立しました。
しかし、プロテスタントが多いアルスター地方だけがイギリス領として残されたのです。アイルランドは、アルスター地方も自国の一部であると主張し、イギリスは、6割をプロテスタントが占めるこの地方で民主主義的に多数決を取れば、イギリスの一部であることを望むはずだ、と主張しました。
両国の主張は平行線をたどったまま 、この北アイルランドでは紛争の火種がくすぶり続けています。
|