TOPIC1-3.ヨーロッパ地域の戦争と紛争

3. 旧ユーゴスラビア紛争
 
国土とその歴史
 

多民族国家である旧ユーゴスラビア地域では、1990年代から民族間の激しい紛争が続きました。 そして、今なお続いています。
その原因は、旧ユーゴスラビア連邦の分裂で民族や宗教を基盤とする各共和国が独立したことです。この課程で、戦争や残虐で非人道的な民族制圧が何度も繰り返されたのです。こちらも今なお続いています。

1991年にスロベニアとクロアチアが相次いで連邦からの離脱を宣言しました。これが、連邦軍との最初の戦争だと言われています。後のクロアチア独立戦争では、双方で約6000人もの死者を出したとされています。その後、1992年にスロベニアとクロアチアは、念願の独立を勝ち取りました。そして、その中でもスロベニアは、21世紀初頭の欧州連合(EU)拡大で新規加盟国の候補国となるなど、西欧への仲間入りを目指しています。
1992年にボスニア・ヘルツェゴビナも独立を決定しましたが、民族と宗教が複雑に入り組んだ地域であることから内戦が生じ、数多くの犠牲者と欧州史上最悪と言われる340万人にも上る難民を生み、世界的に注目されました。ボスニア戦争では、北大西洋条約機構(NATO)軍の軍事介入でセルビア人勢力の空爆に成功しました。そして、1995年に停戦が実現しました。停戦後は、NATOを軸に多国籍の平和履行軍(IFOR)が和平への実行を監督し、やっとのことで選挙実施に至ったのです。一連の紛争の間にマケドニアが独立を達成しました。
残されたセルビアとモンテネグロは、新ユーゴスラビアを結成しました。旧ユーゴスラビア地域でこれほどの戦争が発生した主因は民族対立です。

 
現在の情勢
 
2000年に行われた大統領選挙によって、非人道的大量虐殺、独裁的政治を行ってきたミロシェビッチ大統領が民主的な選挙で大敗し、民主的な新政権が発足しました。これは、国民が独裁政権を拒否し、民主的な国家を求めていた結果でした。
民主的国家の誕生を受けて、各国からは経済制裁の解除が着実と進んでいます。しかしながら、今なおミロシェビッチ氏の影響力は衰えていないと伝えられています。新政権は、ミロシェビッチ氏を裁判にかけるなど徐々に民主化を進めていますが、今なお紛争が続いており、難題を抱えたままの状態は続いています。



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