TOPIC3-1
.世界各国の難民
1.民族、宗教団体の対立による迫害
おそらくもっとも大きな理由として挙げられるのが、「民族、宗教団体の対立による迫害」であると思われます。あるひとつの人種・民族や宗教・言語の集団に属する構成員が、別な集団と社会的衝突・紛争を起こした場合、残虐行為が繰り広げられることはほとんど避けられないのです。
主に南アジアでこういった迫害と大量の難民化の相関関係が顕著に見られます。
1947年、インドの分離独立の際、イスラム教徒とヒンズー教徒の間の激しい衝突によって、800万人が新生国家パキスタンに移ることを余儀なくされ、一方で600万人以上がパキスタンの土地からインドに逃れ移りました。1971年のバングラデシュ独立をめぐる紛争では1000万人もの人が土地を追われました。
バングラデシュにいる非ベルガン人系の27万5000人以上の人々(ビハーリ人)は、いまだに安住の家がありません。最近では、1983年にスリランカの首都コロンボで多数派シンハリ人のグループが激しいテロ活動を繰り広げました。少数派のタミル人住民は家や所有物を破壊され、25万人以上が住む場所を失ってしまいました。彼らの大半は、隣国のインドに流入しましたが、その他のものは、フランス、イギリス、ドイツなどの先進工業国に移っていきました。
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