忘れてはならない理由として知っていただきたいのが、「政治による迫害」です。
人道主義の存在を保証する責任を忘れ、植民地獲得に代表される国際的・軍事的利益に目をくらませた政治が、彼らを危機的状況においてしまったのです。
それらは、今や先進国の代表であるアメリカやヨーロッパで起こりました。いわゆる、18世紀末の工業化、民主化、革命で幕を開けました。つまり、革命上の諸勢力の衝突による犠牲者が難民となりました。1789年に起こったフランス革命が生み出した難民の総計は、12万9000人です。そのうち、2万5000人は革命政府の忠告を拒否した聖職者でした。1790年の初めまで、フランスは革命の名の下に領土の拡大を求めたため、他の大半の欧州国家は正統性復活の名の下にフランスを封じ込めるべく、手を結びました。同時に、国内政治の各派は国際化されていきました。フランス革命は急速に国際化していきました。
1775〜83年のアメリカ独立戦争も、同様の動きを引き起こしました。カナダ、イギリスへ逃れた王党派の数は、控えめに見ても6万人にのぼります。民主的かつ人民革命と関連した争いは、政治的意見と階層関係に基づく独自の難民類型を生み出しました。