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GPSによる測量


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みなさんは、カーナビをご存じでしょうか?カーナビは、自動車が今どこを走っているかを知らせてくれる装置で、現在位置を調べるのにはGPS(Grobal Positioning System、全地球測位システム)という技術が応用されています。この技術を使うことによって、測量も非常に簡単にできるようになりました。

それでは、GPSのしくみを詳しく見てみましょう。

・GPSの原理

GPSにより位置を測定するのに必要なものは、GPSの受信機のみです。一度に4機以上のGPS用人工衛星からの電波を受信し、それぞれの衛星との距離を測定することにより、位置がわかるのです。

・距離の求め方

GPS用の人工衛星と受信機の双方には、時計が内蔵されています。そして、衛星からは現在の時刻を示す電波が常に発信されています。電波が衛星から受信機に届くには時間がかかるので、受信機の時計と衛星から送られてきた時刻の情報を比較し、それらの差を正確に調べることにより距離が求められます。

・4機の衛星が必要な理由

1.3機の衛星との距離からわかること

1機の衛星との距離がわかると、どのようなことが言えるでしょうか?

たとえば、距離が100kmだったとすると、受信機は衛星から100km離れたところにあるということですから、受信機のある場所は、衛星を中心とした半径100kmの球の表面のどこかということになります。

同じように考えると、2機の衛星との距離がわかると、それぞれの衛星を中心とする球の、表面の交わった部分(円の形をしている)のどこかに受信機があるということがわかります。

さらに、3つ目の衛星との距離がわかると、場所は円の周と球面の交差している2点のどちらかに絞られてしまいます。この2点のうちどちらかは、ふつう地中や上空など現在位置としてふさわしくないものなので、その点を除けば3つの衛星からでも位置がわかってしまいます。

2.4機目の衛星の役割

3機の衛星でも位置がわかるのに、なぜもう1機の衛星が必要なのでしょうか?

実は、4機目の衛星は受信機の時計の修正のために使われています。前に述べたように人工衛星には時計が内蔵されていますが、この時計は原子時計といって非常に正確なものです。それに対し、受信機の時計には安価でそれほど精度の高くない(といっても日常的に使うには十分なものですが)ものが用いられています。そのため、距離を正確に測定するためには受信機の時計は常に正しい時刻に合わせなおさなければなりません。そこで、4機目の衛星が活躍します。

もし、受信機の時計に狂いが全くなければ、3機の衛星との距離からはじき出された受信機の位置と4機目の衛星との距離(どちらも位置がわかっているので計算だけで求めることができる)は、4機目の衛星からの電波を受信して求めた距離と一致するはずです。しかし、受信機の時計がずれていると、それらが一致しないという矛盾が発生します。受信機はこの情報を元にし、自動的に時計の修正を行うのです。そのため、原子時計でなくとも時刻を非常に正確に知ることができ、正確な位置の測定が可能になるのです。

・GPSの利点

GPSを使うと、三角測量では不可能だったことが可能になります。

まず、GPSは空さえ見えれば地球上のどこからでも測量が可能なので、本土から遠く離れた島など、三角測量ができなかったところも測量できるようになりました。

また、完全に自動で常に測量を続けることができるので、30秒ごとの変化を調べるなどということも可能になりました。

地殻変動による予知

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三角測量


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