地震予知 > 前兆現象の観測法 > FM電波による観測

FM電波による観測


 地震年表
 地震のメカニズム
 地震予知
 耐震設計
 用語事典
 クイズ
 リンク集


    制作者について
    参考資料
    著作権表示


VAN法は、地面の電気を直接測定することによって地震を予知しようとしました。それに対して、FM電波による観測は、地上の電気の変化によって起こる電離層という上空の層の変化を電波の反射により観測しようという方法です。アマチュア天文家の串田嘉男さんが発見しました。

電離層とは?

地球の高度70〜400kmの部分は太陽からの強い放射線によって原子が原子核と電子とに分離されて、プラズマという状態となっています。このようなプラズマ状態の層のことを電離層と呼びます。この電離層というのは地球の大気圏外にあり、普通は宇宙空間と呼ばれているところです。ですから、スペースシャトルが飛んでいるところがこの電離層にあたります。

観測の方法

地球は球形をしています。そのため、遠く(約200km以上)にあるFM局からの電波は(FMの電波は光のように直進するので)地球が障害物となり、直接は届きません。しかし、電離層は、FM電波を少しだけ反射する性質を持っていますので、遠くからのFM放送も電離層で少しだけ反射されて受信することができます。そして、この反射の具合によって電離層の様子を知ることもできます。ここが重要です。

ところで、話は変わりますが、地震が発生する前には地表に電気が生じます。地表にプラスの電荷が生じたとすると、プラスの電荷とマイナスの電荷は引き合うので、プラスの電荷の方にマイナスの電荷が寄ってきます。どこにある電荷が寄ってくるのでしょうか?そう!!電離層です。電離層では、原子は電子と原子核に分かれているので、その中の電子だけが、電気を帯びている地表の真上に集まってきます。すると、電離層の状態が変わりますね。この状態の変化を、電離層で反射して届く遠くからのFMの電波を受信し、測定することによって地震の予知をしているわけです。

FM電波による観測のしくみ
図:FM電波による観測のしくみ
(この図では都合上、電波が直接受信機にも届くような位置関係になっている)

この方法では、M5以上の地震を90%という高い確率で予知に成功しているそうです。

地震予知

VAN法による観測


© ThinkQuest@JAPAN2000 - Team 30295. All rights reserved.