ダービーの歴史

 18世紀大英帝国。ロンドンから、南へ17マイル(約28km)に位置する保養観光地エプソム。この地こそダービーの歴史における原点でした。ダービー卿の叔父バーゴイン将軍は、エプソム付近の土地を買い取り、別荘を建てました。そばにオークの木があったことから、彼はその土地をオークスと名付けます。
 1775年に彼は軍の命令を受けてアメリカへ渡る事になり、ダービー卿にその地を貸し与えました。やがて任務を終えて戻ってきたバーゴイン将軍は、ダービー卿に友人が成功させた4歳馬の新レースの話を聞かせてくれます。ダービー卿は、叔父とエプソム競馬場の1マイル半を使って牝の若馬で同じようなレースを開催する事を決めこのレースをオークスと名付けました。
 1779年5月14日、オークスにおいてダービー卿の持ち馬である「ブリジェット」が優勝しました。その夜、ブリジェットの勝利を祝う豪華な晩餐会が行われ叔父のバーゴイン将軍、ジョッキー・クラブのリーダーのバンベリー卿などの有力なメンバーも訪れていました。その様な人々が集まった宴の席で新レースの提案が持ち上がります。それは、4歳牡牝混合での1マイルレースの開催でした。席上で賛成の決議が行われ条件が作成されました。このレースにダービー卿の名を冠する事が決められます。現在、世界中で行われているダービーは、こうして幕開けしました。