ライン

これからの医学

 先程「現在の医学」で説明した通り、最近は自分の臓器やら皮膚やらが自分の細胞を使用して生成することが可能となっている。将来これらの技術が発展したら様々なことが可能となるであろう。
 
 まず、寿命の飛躍的な伸びである。体のさまざまな部品が生成可能になれば、老化・病・癌・事故などによって機能が低下もしくは使用不能になった部分は取り換えが利くようになる。そうなれば、永遠に生き永らえることも可能になってくるのである。
 しかし、この方法にも当然欠点はある。これの欠点は、移植に多大な費用がかかってしまうことである。臓器移植などはこれらの問題を解決しない限り、これはあまり実用的とは言えないかもしれない。別の方法としては自分のクローンを作って、その体に自分の脳を埋め込むという方法があるが、これは人権問題やらがいろいろと絡んでくるのでこれも多分無理であろう。仮に脳の移植ができたとしても、遺伝子の塩基配列のひとつ、テロメアがもともと足りないので細胞分裂が起こらず、一気に体が老化(早老病と呼ばれる遺伝子病)し、ものの数週間で体は老人と同じようになってしまうだろう。ただ最近になってそのテロメアを伸ばす物質、テロメラーゼが発見されたので、もしかすると……もしかするかもしれない。
 
 次に、アンドロイドなどの作成が可能になることである。最近になって自立二足歩行型のロボットが本田技術研究所によって世界で初めて開発され、つい先日、先のロボット「P3」の進化(?)版である「ASIMO」が2000年11月20日公表された。また、SONYからはさらに小さく、軽く、高性能な「SDR−3X」(全長50cm、体重5キロで20近くの言語を理解できる。これは同社の製品「ERS-210」の技術が活用されている)が2000年11月21日に発表された。これで本田の面子丸つぶれになってしまったわけなんだが…まぁそれはともかく、将来この技術が発展すれば映画「Terminater」に出てくるアーノルド・シュワルツネッガーのようなアンドロイドも生成可能になってくのだ。二足歩行型のロボットに人工生成した筋肉や皮膚をくっつける…。そうなればガードマンやSPに活用されることも夢ではない。
 ただ、やはりこれにも欠点があり、メンテナンスや作成に多大な費用がかかってしまうのである。また、人工皮膚やらも一応ちゃんとした細胞なので、当然養分がなければ生きていけない。つまり、人間と全く同じような組織を確立しなければ皮膚やら筋肉やらは数日で腐敗、ヒト型ロボットを作るのは不可能である(と、思う)。これだったら普通にガードマンを雇ったほうがよっぽど安上がりである。