男性の装束はどのようなものだったでしょう。

晴れの衣装として束帯、通常の参内用（さんだいよう）として衣冠、日常着としては直衣（のうし）、旅や鷹狩のときは狩衣（かりぎぬ）をきていました。 束帯とは革の帯で腰を束ねた装束の意味で、朝服（ちょうふく：参内用の装束）として用いられ、「昼（ひ）の装束」ともいわれていました。また、位階によってその色が決まっていました。束帯は、見た目も美しく、優美でしたがくさんの衣を重ね着するので、着るのも大変なうえ、優雅に着こなすことも要求されていたので貴族達は大変だったのです。朝廷での晴れの儀式に着用した縫腋袍（ほうえきのほう）の束帯は文官および四位以上の武官が 着ていて、闕腋袍（けってきのほう）の束帯は四位以下の武官が着ていた最高の服装でした。 束帯や衣冠は日常生活には動きづらく不便だったので、直衣をきていましたが、しだいにこれも複雑になっていったので、狩衣もよく用いられるようになりました。  　 　　直衣を着た男性 聞き慣れない言葉ばかりで何それ？と思った方が多いと思います。想像してみてください。華やかな平安の宮廷を。さっそうと着こなした公達を。何か浮かんできたら、きっとあなたが平安時代を身近に感じるようになったのです。