平安の女性は、どんな服を着ていたのでしょうか。



女性の晴れの装束(正装)としては一般に十二単(じゅうにひとえ)と呼ばれている女房装束です。普段着としては、小袿(こうちき:高貴な女性が着る)という裳(も:表衣の上につける、腰から下をおおうもので、長い。これがないと正装にならない)と唐衣(からぎぬ:丈は上半身だけで短く、女房達が用いた)の代わりに小袿を着た、女房装束の簡単にしたものや、細長(身幅が細い。高貴な女性が着る)が用いられました。また、更に簡単にした単袴(単の衣一枚と袴だけの夏の衣服)というものもありました。童女の正装としては、衵(あこめ:表衣)と肌衣の間に着る、袿と同じ役割を果たすもの)の上に汗衫(かざみ:童女の上着))を重ねていました。

成人女性は袿の枚数で寒暖の調節をしましたが、童女は衵でおこなっていました。


衣装は、身分、年齢、季節により種類、色、布地が決められていました。特に襟や袖口に見られる襲ねの美しさにはその人の美的センスが表われるため、そのコーディネートには細心の注意が払われていました。より美しく見せるため、20枚もの衣を着た人もいたそうです。


        
 
女房装束を着た女性


どんなに時間のへだてがあっても、平安女性にとってもファッションは私達と変わらず大切なものだったんですね。
あなたも平安のファッションを着てみたらどうでしょう?