植物染料は紅花・茜、動物染料はコチニール・ケレメス・ラックダイガラムシ(臙脂虫)など。コチニールはサボテンに寄生する虫で、煮て染料にする


紫鉱、紫草、紫根など。ラックダイガラムシ(臙脂虫)の雌が樹枝にだしたヤニ状のかたまりを「紫鉱」という。


藍、インド藍、日本の蓼藍、キツネノマゴ科の琉球藍十字花科のウォ−ド草のウォ−ド藍などがある。どんな繊維でも染めつきがいいという特性を持つ


媒染剤を必要としない梔子(くちなし)・サフラン・鬱金・黄檗(こうへき)、必要とする苅安・こぶな草・楊梅・福木などがある。


天然染料で単独に緑に染め上げてくれるものはなく。日本では古代の山藍の摺り染めほうがある。山藍は山野の日陰に自生していて、成分が葉緑素なので、時間がたつと褐色になる。平安のひとは山に生えているので清潔であり、神事の衣を染めるのに使っていた。緑に天然染料で染めるためには、一般 に藍をまず染めてから(下染)上に黄の染料で染めた。  


五陪子・檳榔樹などのタンニン系の染料を用い、鉄塩で発色させる。江戸では檳榔樹の黒が好まれ、藍で下染してから檳榔樹で染めたものを『藍下の黒』紅花で下染してから檳榔樹で染めた『紅下の藍』として珍重された。檳榔樹は高価だったため、五陪子は代用としてつかわれることも多かった。


天然の繊維で茶系のものは多くある。茶を意識して染めるとドングリの皮は奈良時代から用いられてきているが代表的なものはインドからインドネシアなどの熱帯に生育するマメ科の阿仙がある。阿仙は奈良時代に鑑真和上によってもたらされたといわれている。


胡粉のような顔料を除いて白に染料はない。つまり色を漂泊するものがなく、天然染料の美しい色も、鮮やかな色相も不可能だといわれている。

 

絞り

友禅染め

天然染料の種類