係り結び |
係り結びについてです。係り結びというのは、動詞などの前後について意味をもたせる品詞です。
助詞の一種なのですが係り結びをするため係助詞と呼ばれています。
◎係り結びとは |
上でも説明しましたが、動詞の上に付いて、その文に意味をもたせるものです。ここで取り上げるものは『ぞ・なむ・や・か・こそ』の5つなのですが、文意の強調や疑問の意味を持たせたりすることが出来ます。こんな風に使います。
例 | 係助詞 | 文 | 文意 | |
花咲く |
+ぞ → |
強調:花ぞ咲け |
花は咲く(強い) | |
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水流る |
+なむ→ |
強調:水なむ流るる |
水は流れる(強い) |
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朝起く |
+や → |
疑問:朝や起くる |
朝は起きるのか |
花咲く | +か | 疑問:花咲くか | 花は咲くのか | |
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夜明く |
+こそ→ |
強調:夜こそ明くれ |
夜は明ける(強い) |
かたちはこんな風なのですが、係助詞「ぞ、なむ、や、か、こそ」が前に付くことによって、後ろの動詞の形が変わっていますね。
これが結びと言って、係助詞のそれぞれについて動詞の結びが決まっているのです。以下のような分類になっています。
「ぞ、なむ、や、か」は連体形で結び、「こそ」だけ已然形で結びます。それぞれについて見ていきます。
「ぞ、なむ」
結びは連体形で、強調の意を表します。
「ぞ」の方が「なむ」よりもやや強く、「なむ」は柔らかい表現として会話や手紙文などによく使われたそうです。
例文 | 文意 |
われ「ぞ」(まされる) | 私こそ勝っている |
(あやしき)こと「ぞ」 | あやしいことだ |
「や、か」
結びは連体形、疑問、反語の意味です。反語と言うのは、「花は咲くのか」と言いながら、「花は咲かない」という意味になる、という用法のことですが、古文の場合はこの区別が文脈からでしか出来ないので、少し難しいかもしれません。
例文 | 文意 |
聞き(給う)「や」 | 聞いてくださるのか |
いづこに「か」花咲く | どこに花が咲くのか |
「こそ」
これだけ結びは已然形。意味は強調です。
強調の意味は、「ぞ、なむ」よりも強くなります。
例文 | 文意 |
時「こそ」(過ぐれ) | 時は過ぎるのだ |