考えてみよう3

つづいては物語の終わりへ向けての物語の動きです。
一寸法師の素性や、最後の辺りは読み取れているでしょうか?
ヒントも使ってゆっくり読解していきましょう。

◎鬼退治〜出世

 宰相殿の家を出た一寸法師と姫君は、とうとうあの島へ迷い込んでしまいます。

姫君ひめぎみ、あさましきことにおぼしかして、「かくていづ方へも行くべきならねど、難波なにはの浦へ行かばや」とて、鳥羽とばの津より船に乗りたまふ。折節おりふし風荒かぜあらくして、きやうがる島へぞ着けにける。船よりあがり見れば、人住むとも見えざりけり。

かやうに風わろく吹きて、かの島へぞ吹き上げける、とやせんかくやせんと思ひわづらひけれども、かひもなく、船よりあがり、一寸法師いっすんぼうしはここかしこと見めぐれば、いづくともなくおに二人来たりて、一人は打出うちで小槌こづちを持ち、いま一人が申すやうは、「みて、あの女房にやうぼう取りそうらはん」と申す。口よりそうらへば、目のうちより出でにけり。

まずは場面の確認です。

考えてみようその6
●難波へ戻る、時、場所、登場人物

解答

鬼出現!しかも2人もです。しかし一寸法師は・・・・・・?

おに申すやうは、「これはくせ者かな。口をふさげば目よりづる」。一寸法師いっすんぼうしおにまれては、目よりでてとび歩きければ、おにもおぢをののきて、「これはただ者ならず。ただ地獄ぢごくらんこそで来たれ。ただ逃げよ」といふままに、打出うちで小槌こづちつえ、しもつ、何に至るまでうち捨てて、極楽浄土ごくらくぜうどいぬいの、いかにも暗き所へ、やうやう逃げにけり。

さて一寸法師いっすんぼうしはこれを見て、まづ打出うちで小槌こづち濫妨らんばうし、「我々が背を、大きになれ」とぞ、どうど打ちそうらへば、ほどなく背大きになり、さてこのほど疲れにのぞみたることなれば、まづまづ飯を打ちだし、いかにもうまさうなる飯、いづくともなくでにけり。不思議ふしぎなる仕合しあわせとなりにけり。

一寸法師は、打出の小槌を手に入れ、とうとう・・・・・・。

考えてみようその7
●一寸法師らを見た鬼は

●一寸法師は打出の小槌をどう使った?

●一寸法師は

解答

とうとうエンディングです。鬼をやっつけて、どんどん仕合せになっていく一寸法師。ここでは、一寸法師の父母である、おおじとうばの素性が明らかになります。
難しいのはそれくらい。古文版一寸法師マスターまであと少し!

 その後、黄金こがねしろがね打ちだし、姫君ひめぎみともにみやこへ上り、五条ごぜうあたりに宿やどをとり、十日ばかりありけるが、このこと隠れなければ、内裏だいりにきこしめされて、いそぎ一寸法師いっすんぼうしをぞされけり。すなはち参内さんだいつかまつり、大王御覧ごらんじて、「まことにいつくしきわらじにてはべるる。いかさまこれはいやしからず」、先祖せんぞたずたもふ。おほぢは、堀河ほりかわ中納言ちうなごんと申す人の子なり。人の讒言ざんげんにより流され人となりたもふ。田舎いなかにてまうけし子なり。うばは、伏見ふしみ少将せうせうと申もうす人の子なり。おさなき時より父母におくれたまひ、かやうに心もいやしからざれば、殿上てんぜうへ召され、堀河ほりかわ少将せうせうになしたもふこそめでたけれ。

父母をも呼びまひらせ、もてなしかしづきたもふこと、世の常にてはなかりけり。
 さるほどに少将殿せうせうどの中納言ちうなごんになりたもふ。心かたち、始めより、よろづ人にすぐれたまへば、御一門ごいちもんのおぼえ、いみじくおぼしける。宰相殿さいしやうどのきこしめし、喜びたまひける。その後、若君わかぎみ三人で来けり。めでたく栄えたまひけり。
 住吉すみよし御誓おんちかひに、末繁昌すえはんじやうに栄えたもふ、世のめでたきためし、これに過ぎたることはよもあらじとぞ申しはべりける。


少将殿、中納言などは、一寸法師の時代の偉い役職の名前です。職業ということですね。一寸法師は帝に会い、認められ・・・・・・
だんだんと幸せになっていきます。

考えてみようその8
●一寸法師はその後


●一寸法師の素性は?

おおじとうばの素性もチェックしよう。

●一寸法師は帝に会った後どうなった?

解答

いかがでしたか?しっかり読み取ることが出来たでしょうか?
分からないところが有ったら、その部分のあらすじや現代語訳を読んで答えを探すのも勉強になると思います。全部分かった人は偉い!古文が得意なのかもしれませんよ。
解答を見る場合は、自分がどこを読み落としていたのか、どの単語、文章が分からなくて意味が取れなかったのか、そういう部分をチェックしましょう。

考えてみよう解答