「おっかさんは、ぼくをゆるして下さるだろうか。」 いきなり、カムパネルラが、思い切ったというように、少しどもりながら、急きこんで云いました。 |
ぼうっと青白く後光の射した一つの島の平らないただきに、立派な眼もさめるような、白い十字架がしずかに永久に立っているのでした。 「ハルレヤ、ハルレヤ。」 どの人もつつましく指を組み合せて、そっちに祈っているのでした。 汽車はだんだんゆるやかになって、間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。 |