ア ン ジ ャ ル    

山 脈 の 麓 に 静 か に 身 を 置 く  ウ マ イ ヤ 朝 の 壁 城 都 市

首都ベイル−トから東、アンチレバノン山脈の麓、ベカー高原にアンジャルはある。

アンジャルは、古くからシリアのダマスカスとベイルートを結ぶ隊商都市として栄えていた。
8世紀ごろ、ダマスカスに首都を置くウマイヤ朝のカリフ(太守)のアル・ワリード1世は、いたくここを気に入り、この地に石碑や彫刻を運ばせ、宮殿を建設させた。
その後もウマイヤ朝は勢力を広げるも、その後ウマイヤ朝の一派のアッバース朝の時代に移ると、不思議にもアンジャルは消えうせる運命へと航路をたどる。

ウマイヤ朝の時代、アル・ワリード1世は、ローマ流の構造を基本とし、長方形の敷地を壁で囲み、壁城都市を計画した。
アンジャルは、4つの区間で構成され、まずカルドと呼ばれる道路が北に延びている。
右には宮殿、左は居住区として商人達が住んでいた。アーケードの市場は、かつて何百もの店が開かれていた。
四方塔門は、テトラピュロンと呼ばれる台座にアーカンサスの葉をモチーフとしたコリント式円柱が、都市の象徴的なものとして聳える。

1984年に登録された。

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