| 湯川氏の研究について | |
| 1.最初に | |
| 湯川氏に関しては最初に述べておかなくてはならないことがあります。それは、湯川氏が日本で最初のノーベル賞受賞者である、ということです。そして、湯川氏がノーベル賞を取った年が1949年であると言うことです。第二次世界大戦終了後4年目にして、しかも日本人初の受賞があったということは、その当時の人にとってどれ程心強かったか知れません。誰が最初に賞を取ったか?とかいつ取ったか?ということを言うのは、他の受賞者の方々に失礼になるかもしれませんが、湯川氏に敬意の念を込めてここに、この文を書かせていただきます。 | |
| 2.研究説明の補助 | |
| 肝心の研究内容についてですが、湯川氏は「中間子」と言う物の存在を予測した人物です。この、中間子という物を説明する為に、まずは原子の話をしていこうと思います。ちなみに、中間子は電子の約200倍の質量を持つ粒子のことです。 | |
| 原子についての図 | 分子についての図 |
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| 素粒子説明図 | 原子核に含まれる電子も素粒子にはいります。そして、陽子、中性子、中間子も素粒子です。 |
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| 3.原子とは | |
| 原子というのは、陽子、電子、中性子の三つで構成されていると皆さんは高校でならったと思います。その時は陽子と電子が互いに釣り合っている。と習ったと思いますが、実際はどうでしょうか?原子核内では陽子と中性子が集まって核子というものを形づくっているのですが、この時、陽子と電子は一緒に考えていません。 皆さん磁石の+極と+極をくっつけると反発するのは当然ご存知でしょう。上の核子の説明で、あれっ?と思いませんか?そうです核子は陽子と中性子でできているのです、当然中性子に電子の働きはありません。 |
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| 4.湯川氏の研究について | |
| ここで湯川氏が予測した、中間子がでてくるのです。つまり、陽子と中性子を結合させている物質があるはずだ、と言うのが湯川氏の予測なのです。 その後の詳しい研究で核子は核力によって結合している、と言うことが分かりました。この核力というのは陽子と中性子がパイ(π)中間子をやり取りすることで得る力のことです。 中間子には色々な種類があります。湯川氏が1935年に論文を発表した次の年アメリカのアンダーソン氏が宇宙線の中に中間子を発見しましたが、これはミュー(μ)中間子という湯川氏が予測した中間子とは違う中間子です。パイ中間子は1947年イギリスのパウエル氏が発見しました。 |
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