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2*人間と言語 ■ 二 本能的感情と理性的感情 さて、ここで『感情』について考えてみます。 『本能的感情』――これは、好嫌善怒悲などを指します。大脳辺縁系にて司られている感情です。 『理性的感情』――これは、感情というよりも、『本能的』の方をその感情自体は何も進化していかないネガティブ的なものだとすると、高度な精神作用……思考判断・想像・予測・創造性・責任感、とそれ自体が成長するポジティブ的なものだと言えるでしょう。 そこで、例えば”ボス猿”というものがあるではないか――と言われたら。 それは、動物としての本能的役割における物であり、『理性的感情』の『責任感』に当てはまる物では有りません。 そして、『本能的』な方は動物の辺りから備わっているのに対し、『理性的』の方は一で理性を司り言語的活動の基となっていると述べた大脳新皮質によって成り立っており、これは人間にしかない部分です。 しかし、この『感情』というのはなんなのでしょうか? 人から見れば笑っているように見えるが本当は悲しい――そんな事もあります。それは、受け取る人受け取られる人それぞれの記憶や記録などに基づく認識に寄る物であり、個人個人の中にしか存在し得ない物でもあります。酷く不安定なものであります。 この不安定な物は、正に言語によってなされているのであります。 この事については、次の『V 感情論』に続いていきます。 |