タイに留学中の17歳
北島菜月さん (1/2)


 今回は、Life Home Projectという団体をご紹介するためにWWCDにメールをくださって知り合った、タイに留学している私たちと同い年の北島さんにインタビューしました。

タイに留学しようと思ったきっかけは何ですか?

 幼いころから好きだった英語を本格的に自分のものにしたかったというのがひとつの理由です。英語を共通のコミュニケーション手段としてたくさんの友達を作ることも目標のひとつでした。
 もうひとつの理由は、この方が実は有力だったのですが日本の教育制度がどうしても私の考え方に合わないことを中学生になったころに実感して、その時に初めて留学を具体的に考えました。
 タイを選んだのはやはり日本からあまり遠くに離れたくなかったのと、少し人種差別を心配していたからです。私の学校は約半数の生徒がアジア人なので、その点では英語圏のように白人の中で溶け込めないというようなことも起こらないだろう、またアジアに住んでいる白人ならアジア人を差別することはないだろうと思っていました。

タイと日本の教育の違いにはどんなところがありますか?

 私はインターナショナルスクールに通っているので、タイの現地の学校のシステムに関しては2学期制が適応されていることくらいしか知りません。しかし英語教育は日本よりしっかりしているような気がします。こちらでは観光地ということもありタクシーの運転手さんでも日常会話くらいの英語は話せますが、日本ではどうでしょうか?発展途上国とはいっても日本よりもずっと国際社会への適応性は強いかもしれません。
 インターナショナルスクールではイギリスかアメリカの制度がそのまま適応されていて、私の学校ではイギリスの3学期制、保育園・幼稚園・小学校(1〜6年生)・中学校(7〜11年生)・高校(12・13年生)と分かれています。中学部ではイギリスのIGCSEという資格を取ることを最終目標として5年間、高校では国際的に通用するフランスの資格である国際バカロレア資格(IB)取得のための勉強を2年間することになっています。IGCSE、IBとも世界各地の学校で実施されており、私の学校もそのひとつです。
 日本と根本的に違うのは、日本の中学・高校教育が受験のためのものであるのに対し、こちらの教育、というか世界的に認められている教育は資格を取ることを通して他にも様々な体験をさせてくれることです。IB取得には6教科の試験をパスする他、決められた時間数のボランティア活動、スポーツ、文化的活動、卒業論文などが必須とされています。

タイに留学して日本と一番違うと思うところはどこですか?

 学校という限られた範囲内であっても縮小された国際社会が垣間見られるところだと思います。人種差別、貧富の差、倫理、人を助けることの尊さ、共通の言語をもってコミュニケーションすることのすばらしさ・・・そんなことが一気に見られるところでしょうか。
 私はこの2年間で英語の上達だけではなく、コンプレックスをなくすことが出来、人生を変えるような大きな人間関係の変化もありました。

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