生物多様性

Biodeversity

原因と現状

 環境問題を考える中で、最近『生物多様性』という言葉が浸透し始めましたが、多くの人にはまだ知られていないと思います。これは、地球上の全ての生物は、長い年月をかけてバランスをとって生きてきて、それが少しでも崩れてしまえば様々なところに障害を及ぼす生態系のシステムのことを言います。
 さて、上の絵を見てください。地球には様々な生物が一緒に暮らしていることがわかりますね。生物多様性というのは、たとえ小さな微生物でも、それがいなくなってしまうことによってそれをえさにしていた生物に影響を及ぼし、そのまた上の生物にも…といった、食物連鎖や生態ピラミッドのバランスをそのまま崩してしまうものです。
 現在、毎年40000種が絶滅(ぜつめつ)していると言われています。20年前は1000種、100年前は1種だったということを考えると、人間の営みによって近年急速に動植物がなくなってきているのは確かなことなのです。
 特に問題なのが、森林伐採による生物多様性の破壊です。森林には様々な生物がいるのと同時に、木々も当然生物の一種であり、他の生物が生きていくのに必要なことを多く行ってくれているのです。その森林が、毎秒サッカー場一つ分なくなっているということは、世界の多くの生物がいなくなっていることをも意味しているのです。

問題

 生物多様性条約(下記参照)には、多くの国が批准しているのに、『アンドラ』、『ブルネイ・ダルサラーム』、『イラク』、『ソマリア』、『アメリカ』の5カ国が批准していません。
 また、資金不足は深刻なため、これからの各国の対応が重要なかぎとなります。

 森林伐採に関しては先進国向けの輸出が大きく関わっています。(森林伐採参照)

対策


 1992年、ブラジルのリオデジャネイロで行われた地球サミットで、国連生物多様性条約(CBD)が採択(さいたく)されました。『生物の保護』、『持続的な利用』、『得られる利益の配分』を目標とし、定期的に締約国(ていやくこく)会議を行っています。
 第七回の会議が2004年2月9日〜20日にマレーシアのクアラルンプールで行われます。今回の目的は『保護域』に関する決議を採択することです。現在厳格に守られている森林は全体の1%ほどしかありません。森林はすでに80%が消失していて、残りの20%も毎年1%ずつ消失しています。
 2010年までにきちんとした対策がとれなければ森林は全て消失してしまうのではないかと言われています。


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