グリーンピース
エコロジー入門講座第6回
生物多様性条約と原生林
世界の環境問題に取り組むGREENPEACE(国際機関GREENPEACE参照)が定期的に行っている講座「エコロジー入門講座」は、普段グリーンピースの事務所で行われています。しかし今回は、地球環境パートナーシッププラザ(国連大学内)で行われているパプアニューギニアの原生林と先住民たちを撮った「極楽鳥の森にくらす」写真展の開催を受け、隣の建物の環境パートナーシップオフィスで行われ、約40人のサポーターや聴講者が講座を受けました。
講師はグリーンピース・インターナショナル森林問題担当のクリストフ・ティーズ博士で、この日ドイツから来日なさったそうです。
講座は約2時間、ビデオやスライドによる現状を目の当たりにしながら、クリストフ博士のお話(英語なので通訳つき)をうかがいました。
今回の講座でのテーマは『生物多様性条約と原生林破壊』。2004年2月9日から20日までマレーシアのクアラルンプールで開かれる生物多様性条約第七回締約国会議(CBD COP7)での焦点や、森林伐採・海洋破壊の現状を大変わかりやすくお話していただきました。(生物多様性(条約)については国際問題学習 生物多様性参照)
多くの生物が存在する原生林が今急速なスピードで破壊されています。現在もともとあった森林の20%ほどしか残っておらず、それも毎年減っていっています。これは一員としては先進国輸出向けの大規模伐採によるものです。また、この伐採が行われるようになってから、営利目的のゾウ・ゴリラ・チンパンジーの狩猟も行われるようになってしまいました。
そこで、1992年に作られたのが国連生物多様性条約です。5カ国の非批准国を除き多くの国が批准しています。破壊されたものを元に戻すということでは回復には大変時間もお金も費やすため、予防が大切だということ、また、一つの種や一つの地域の保護にこだわるのではなく、全体を一つの生態系として見ることが必要とされています。
グリーンピースは、今度のCBD COP7で大小様々なNGOなどと共同声明を出すとともに詳細な要求書を出すことにしています。
要求の柱は次の6つです。
・既存の保護地の効果的な管理を徹底する
・保護されていない広大な地域における産業活動の差し止め
・保護地ネットワークのあらゆる生態系格差を遅くとも2010年までに改める
・先住民族の有意義な参加と関与の保証
・十分な資金を投資する
・保護地で作業計画を効果的に行う
また、各国政府が責任ある行動をとることが必要であることなどもお話のなかにありました。グリーンピースのメンバーは、日本の製紙会社による森林伐採を止めようと2003年11月12日からオーストラリア・タスマニア島にある世界一高い広葉樹の上でサーバーアクションを起こしています。森林伐採には先進国が大きな鍵を持っていることを忘れてはなりません。
このイベントの翌日、クリストフ博士と、グリーンピースジャパンの方が環境省に要望書を提出に行かれたそうです。
私はこのHPを作るようになってから様々なイベントに行っていますが、それらの中でもかなりわかりやすく説明してくださったので興味のある方にはお勧めしたい講座です。もちろん、他の団体の講座でも知ることが大事なのですが。