遺伝子組み換えしたものでも、
環境への影響や食品アレルギーに対する点で
試験中のものも数多くあるんだ。
1、耐塩性のトマト

2001年、米国、物体の生育に影響を与えない場所に塩
分を運ぶ働きを持つ「輸送たんぱく質」と呼ばれるた
んぱく質の遺伝子をシロイヌナズナから取り出し、
トマトに組み込みました。
2、鉄分を強化したコメ   (2002年)

鉄分は欠乏症の人が世界で最も多く存在する栄養素で
あり、世界人口の約3割が鉄分不足と推定されています。


コメに鉄分を補充することで、インゲンマメのフェリ
チン遺伝子を導入することにより、鉄分を増加するこ
とができました。


鉄分含量の比較的多い鉄化合物は、色や風味に影響を
与える場合があるうえ、有機反応しない化合物は通常、
体への吸収率が低くなってしまいます。
3、日持ちの良いパパイヤ    (2002年、東南アジア)    4、メチオニン(必須アミノ酸の一つ)の含量の高いとうもろこし    (2002年6月28日)

トウモロコシは世界中で、特に発展途上国で主要な作
物となっています。
しかしトウモロコシには、必須アミノ酸であるメチオ
ニンの含量が低いという欠点があります。


メチオニン含量を高めることができれば発展途上国に
より優れた栄養を供給することができ、また農家はト
ウモロコシ主体の飼料に合成メチオニンを加えるため
の費用を年間10億ドル節約することができます。


トウモロコシはメチオニンを多量に含むデルタザイン
(delta-zein)と呼ばれるたんぱく質の遺伝子を持っ
ていますが、その遺伝子によるたんぱく生産は限られ
ています。


今回の研究では、Dzr1と呼ばれるもうひとつのたんぱ
く質が、デルタザインを作るためのRNA中の配列が結
合し、タンパク質が制限されてしまうことが発見され
ました。


この配列をほかのトウモロコシ遺伝子の配列で置き換
えることにより、Dzr1がRNAに結合することを防ぎ、
結果的にデルタザインの生産量を高めることとなっ
たのです。

 

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