砂漠の緑地化 1、稲の光合成能力UPの研究
技術についてで紹介したバイテク技術によって、
実際にどのような方法で作られているのか
基本的なやり方を簡単に紹介するね。
遺伝子組み換えを行うことでとうもろこしやサトウ キビのような熱帯性の植物が持つ高い光合成能力を 他の遺伝子に組み込み、砂漠でも育つ作物により砂 漠の緑地化に貢献できないかという実験がありました。 こうした熱帯性の植物は、光合成の際に多くの植物 がC3化合物(炭素数が3の化合物)を出すのに対 し、C4化合物を作るC4植物です。 C4植物はC3植物と比較すると、高温に強く、水 の蒸発速度が二分の一(耐乾性)、最高光合成速度 が二倍になります。 とうもろこしのこの遺伝子を主食である稲に組み込 むのに、世界で初めて、日本の農林水産省研究所で 成功しました。 このGM稲は、緑地化以外により多くの酸素が排出 されることから地球温暖化の防止や生産性があがる ことから収穫量の増加にも役だっています。 他にも、薄暗い中でも活発に光合成をする藻類の遺 伝子の遺伝子組み換えの試みもあります。 |
乾燥地に自生しているサボテンなどの葉や根が持っ ている特殊な水分調節能力の解明や高山の岩場や砂 漠などでも育つコケ類の環境不良耐性遺伝子によ って、砂漠のような苛酷な環境で育つ植物を作る試み もあります。 |
活性酵素とは、植物の体内ででき、細胞を破壊する 物質です。 この酵素は水分が少なく日差しの強い砂漠のような 環境ではよりたまりやすくなってしまいます。 これが砂漠で育つ植物が限定されてしまう一つの原 因です。 地球環境産業技術研究機構は大腸菌が持つカタラー ゼが活性酵素を分解するのに目をつけ、カタラーゼ 合成遺伝子をタバコに組み込みました。 |
植物を塩水に浸すと、浸透作用(低い濃度から高い濃 度へ水が移動すること)によって細胞内から細胞外に 水が流れ、細胞壁から細胞膜が離れ組織が破壊されて しまいます。 そこにグリシンベタインというタンパク質を組み込む と浸透作用を防いでくれます。 この実験が名古屋大学で成功され、世界初の耐塩性の 稲が誕生しました。 |