中国での国民一人当たりのGNPは、この二十年で15倍以上にもなりました。

このように、様々な経緯を通して発展してきた中国ですが、最近それはさらに加速し、2002年12月11日には中華人民共和国が143番目のWTO(世界貿易機関)加盟国となりました。加盟によって、中国の関税率が引き下げられたり、輸入時などの規制が緩和されることとなります。それによって、企業がより中国へと進出しやすくなったり、中国に対する投資の増加も期待できるでしょう。

これからは、情報通信・金融・保険・流通・農業などの部分でも開放が進み、投資する分野の幅も拡大されていくと思われます。

けれども、WTOに加盟したことで中国の経済は世界の競争の荒波にもまれることになります。例えば、今まで国が運営していた企業の改革にともなって失業者が増え、社会不安や政治不安を引き起こしてしまう可能性があるという問題や、関税率が下がることによって国内の農作物の値段が輸入より高くなってしまい、農業を営む人々に影響を与えてしまうという問題があります。

しかし、中国は、国内市場の規模が大きく、比較的安い賃金で豊富な労働力が得られ、産業集積後発性など、様々な利点に恵まれた国です。なので、上にあげた問題などを解決し、この変化にうまく対応できれば、生産性が向上され、中国は経済大国でとしての道をまた一歩進むことができるのです。

また、2008年には中国の首都、北京で夏季オリンピックが開催されることが決まり、道路など交通の整備や、オリンピック用の施設の建設などが急ピッチで進められています。これに伴って、中国への投資活動も活発になり、新たな活気を呼んでいます。