中学生以上用の説明
こちらは中学生以上用の説明なので化学記号・専門用語をフルに活用して説明していきたいと思います。
たぶん理解できないと思う人は今の内に引き返し、中学生未満用の説明に行ってください。
オゾン層を破壊するのは、炭素、フッ素のほかに塩素を含むクロロフルオロカーボンとよばれるフロンです。化学的に安定した物質であるため、大気中に放出されたあとほとんど分解されることなく上空の成層圏に達します。ここで太陽からの強い紫外線によって分解されますが、その時塩素原子を遊離します。要するに、フロン系オゾン破壊物質は直接オゾンに作用するわけではなく最初に紫外線によって塩素原子を出してオゾンを破壊(分解)するというわけです。言うなれば紫外線が地球に入れない腹いせに、オゾンを壊す爆弾を作っている、といったところでしょうか。してこの塩素原子の遊離が、オゾン層破壊の反応を次々と連鎖的につくり出すのです。塩素(Cl)は図のような反応経路でオゾン(O3)を破壊していきます。
Cl+O3→ClO+O
ClO+O→Cl+O2
この反応は、Clがメタンと結びつき(Cl+CH4→HCl+CH3)、ClがHClとなることで終結すると考えられます。
HOCl、ClONO2も同様な連鎖反応を示します。こうしてClは次々とオゾン破壊の反応をおこし、多数のオゾン分子が破壊されていくのです。塩素原子1個につき、数万〜10万分子のオゾンが消滅するともいわれています。単位がすごいですね。想像できません。