石油とは何か?
私たちが現在使っている石油は、今からおよそ1億8000万〜7000万年前、中生代に誕生したといわれています。石油の誕生について、正確な事は分かっていませんが、プランクトンなどの水中の微生物の死骸からできたという説。雨や火山の爆発によって土砂と一緒に押し流された微生物の死骸が海底に積もり、その上に次々に新しい地層が積み重なって、何百万年、何千万年たつうちに圧力と地熱で化学変化が起こり、石油が生まれたというわけです。
下の写真は、リグと呼ばれる物で、石油を見つけたあと、地中を掘るのに使います。ひとつの油田を見つけても、探査から操業開始まで5〜10年の歳月が必要となります。また、最終的に油田として操業を開始することができるものは、数パーセント程度にしか過ぎません。
工場に着いたその後
原油が最初に通されるのが、製油所の心臓部ともいえる常圧蒸留装置です。ここで原油は加熱され、油の蒸気となって、LPG(石油ガス)、ナフサ、灯油、軽油、重油といった各成分(留分)にふるい分けられます。これを「分留」といい、石油精製の基本となっています。ここで出てくるLPGは、天然ガスの説明で出てきたものと同じです。
石油の利用法
現在、石油は、幅広い方法で利用されています。重油は、船の燃料や火力発電所の燃料として、経由はトラックの燃料として、灯油は、石油ストーブやジェット機の燃料として、ナフサは、車の燃料(ガソリン)や石油化学製品の原料に、石油ガスはタクシーやガスレンジの燃料等に利用されています。