1.細胞とゲノム

 細胞の中にはがあり、その中に染色体の集まりがあります。
動物・植物・微生物など、地球上の生物はすべて
細胞から構成されています。
遺伝子は、その細胞の一個一個の中に存在します。

(図:Newtonより)



人間の身体は、約60兆個の細胞が集まってできています。
その大きさはわずか10から50μ(ミクロン)程度です。
1μは1000分の1mmですので、かなり小さいものだとわかります。
細胞の中には「核」があり、その中には「ゲノム」と呼ばれる「染色体」の集まりがあります。
ゲノムとは「gene(遺伝子)」と「Chromosome(染色体)」からできた言葉で、遺伝子の総体のことをいいます。
ヒトゲノムには、
23種類の染色体があります。

                        出典:IPA「教育用画像素材集サイト」
                               
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/

                 これを本にたとえて説明してみましょう。
               人のゲノムの部屋には23種類の本棚があります。
               この本棚が染色体です。
               それぞれの染色体の本棚にはタンパク質のつくり方や、
               それらのタンパク質をつくるべき量や時期が書かれている本が
               たくさん並んでいます。
               ただし、それらの本の中には何が書いてあるのかさっぱり
               わからないものも多く存在します。
               全ての本のうち90から95%が意味のわからない本だといわれています。
               これらの本一冊一冊が遺伝子です。




この染色体をつくっている物質が
DNA(デオキシリボ核酸)です。
染色体は、このDNAの長い糸がお互いに巻きつき合ったような構造をしています。
一本の染色体のDNAをまっすぐに伸ばしてみると、ヒトの場合、一番長い第一染色体で7.5cmにもなります。
一番短い第22染色体は1.4cmほどの長さです。
たった一つの細胞の中にも、すべてつなぐと2mもの長さになるDNAが入っているのです。
ヒトには約60兆個の細胞があるので、ヒト一人分のDNAを全てつなぐと、その長さは
約1200億kmにもなります。太陽系の直径が約100億kmと言われているので、その12倍と言えばその途方もない長さということがわかります。


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