*遺伝情報はDNAに 2重らせん構造のDNA*
染色体を構成するDNAには、タンパク質をつくる暗号が隠されています。
一本のDNAが一つのタンパク質をつくるのではありません。
DNAの中にある部分が、一つ一つのタンパク質をつくるために機能するのです。
このタンパク質をつくる機能を持つ、DNAの特定部分こそが遺伝子なのです。
つまり遺伝子はDNAの一部であり、DNAとは染色体を構造する物質のことです。
ヒトは、父親と母親から23種類の染色体を一組ずつ受け取るので、一つの細胞には全部で46本の染色体があることになります。
遺伝子の構造をもう少し詳しくみましょう。
細胞の中には核があり、核の中には、DNAでできた染色体があります。
DNAは糸のように見えますが、「2重らせん構造」と呼ばれるように、二本の鎖がからまっているように見えます。
このDNAの構造を明らかにしたのが、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックという2人の科学者です。
彼らは1962年に、この研究の成果によってノーベル賞を受賞しました。
DNAは、リン酸とデオキシリボースという糖が交互に並んだ鎖状のものに、4種類の塩基がずらりと並んでくっついた構造です。
同じ構造のものがもう1本あり、それらが向かい合ってらせん状にからまっています。
2本の鎖がからまっているのは、それぞれの鎖についている塩基が対をなしているからです。
この塩基には、 アデニン(A)、
グアニン(G)、 シトシン(C)、
チミン(T)
の4種類があります。
それらはでたらめに組み合わさっているわけではありません。
必ず、 アデニンと
チミン、
グアニンと
シトシン
という組み合わせで結合しています。
ヒトのゲノムに含まれている塩基対を数えると、全部で約30億あることがわかっています。
あらゆる生物の遺伝情報はこのDNAに記録されています。
その記録のために使われている文字が、この
A,
G,
C、 T、 というたった4種類の塩基なのです。
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」
http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
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