11番
出典:「古今集」より
わたの
原
はら
八十島
やそしま
かけて こぎ
出
い
でぬと
人
ひと
には
告
つ
げよ あまのつり
舟
ぶね
参議 篁
さんぎたかむら
■口語訳
「篁は小さな舟に乗せられて、海原はるかに多くの島じま を、めざしてこぎだして行ったよ。」
と、わたしの親しい都の人たちに知らせておくれ。
そこでつりをしているつり舟の漁夫よ。
※わたの原・・・「わた」は海、「はら」は広い所の意味で、雄大さを表す。
■作られたワケ
遣唐副使をことわった篁は
隠岐島に流罪に
なってし まいました。
送られていく途中、
出会った漁夫の釣り舟に
この歌を作ったそうです。
■作者プロフィール
参議篁(802~852)
小野篁。漢文や和歌などにすぐれた平安初期の学者。八三七年、遣唐副使に 任ぜられましたが、大使と争って乗船しなかったため、隠岐に流罪になりました。 その後、ゆるされて参議にすすみました。