17番
出典:「古今集」より

ちはやぶる 神代かみよかず 竜田川たつたがは             からくれなゐに みづくくるとは 
在原業平朝臣ありわらのなりひらあそん

■口語訳

今の世ではもちろんのこと、いろいろふしぎなことがあった という神代のむかしにさえも、こんなことがあったとはきいたことがありません。一面に紅葉が 散りしいて竜田川に流れる水を、美しいくれないの色のしぼり染めに染めあげるなどということは・・・・。

※からくれなゐ・・・唐(中国)から伝えられたあざやかな赤の色のこと。

■作られたワケ

ある日、業平は清和天皇の女御の高子に招かれ屋敷を訪 ねました。高子は天皇にお仕えする前に、業平と愛し合っていました。そこで高子に「屏 風にわたしたちの恋を歌にして書いてください。」と言われてこの歌を作ったそうです。

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■作者プロフィール

在原業平朝臣(825〜880)
「在五中将」などともよばれ、平安時代を代表する歌人として、 また美男子として有名です。六歌仙・三十六歌仙のひとりで、『伊勢物語』の主人公のモデルは この人だといわれています。


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