21番
出典:「古今集」より
今来
いまこ
むと いひしばかりに
長月
ながつき
の
有明
ありあけ
の
月
つき
を
待
ま
ち
出
い
でつるかな
素性法師
そせいほうし
■口語訳
「今すく会いにいきましょう」と、あなたがおっしゃったので、そのおことばを 信じて、九月の長い夜を待ちつづけ、とうとう夜が明けて、有明の月が出る頃をむかえました。 お恨みしています。
■作られたワケ
素性法師は女性の気持ちがわかる人でした。この歌は女性に人気だったそうです。
■作者プロフィール
素性法師(?〜?)
僧正遍昭の子で、俗名は良岑玄利。役人として朝廷に仕えていましたが、父のすすめで出家、 京都の雲林院に住みました。歌人、書家としてもすぐれ、宇多天皇と醍醐天皇のお気に入りでした。