25番
出典:「後撰集」より
名
な
にし
負
はば
逢坂山
あふさかやま
のさねかづら
人
ひと
に
知
し
られで くるよしもがな
三条右大臣
さんじょうのうだいじん
■口語訳
逢っていっしょに寝るという名前を持っている、逢坂山のさねかずらよ。 その名前のとおりであるなら、かずらをたぐるように、こっそりあなたのもとに逢いに行く 方法を知りたいものだ。
※さねかずら・・・モクレン科のつる状の潅木。 秋には赤い実をつける。
■作られたワケ
三条には好きな女性がいましたが、関係が明るみに出てしまい ました。「もうお会いできません・・・。」と言われましたが、「そんなこといっても、会わずに はいられないよう。」そう思ってこの歌を作ったそうです。
■作者プロフィール
三条右大臣(873〜932)
藤原定方。やしきが京都の三条にあって、右大臣だったので、三条右大臣とよばれました。 和歌や音楽にすぐれ、平安時代中期を代表する政治家で、女性にも人気がのあった文化人でした。