33番
出典:「古今集」より
久方
ひさかた
の
光
ひかり
のどけき
春
はる
の
日
ひ
に しづ
心
ごころ
なく
花
はな
の
散
ち
るらむ
紀友則
きのとものり
■口語訳
うららかな日の光がふりそそいでいる。こんな のどかな春の日に、桜の花は、どうしておちついた心もなく、あわただしく散るのだろうか。
■作られたワケ
ある日、貫之と友則は「古今集」の選者に選ばれた記念の宴を催していました。桜が吹雪のように散るので「何とか歌に詠みたいね」「うん」 そして、この歌を作ったそうです。
■作者プロフィール
紀友則(?〜?)
紀貫之のいとこで、『古今集』の選者に選ばれましたが、完成する前に死んでしまいました。
平安時代初期の代表的な歌人で、『古今集』などに優美な歌をのこしています。三十六歌仙のひとり。