41番
出典:「拾遺集」より
恋
こひ
すてふ
我
わ
が
名
な
はまだき
立
た
ちにけり
人知
ひとし
れずこそ
思
おも
ひそめしか
壬生忠見
みぶのただみ
■口語訳
わたしがあの人を恋しているといううわさが、世間の人たちの間に もう広まってしまったよ。だれにも気づかれないように、そっと思いはじめたばかりなのに・・・。
■作られたワケ
忠見が摂津国の役人をしていた頃、すきなひとができました。 ポーっとしている忠見の所へ歌合せの招待状が届きました。そこで忠見はその女のひとのことを思って 、この歌を作ったそうです。兼盛の歌に負けてしまうとはしらずに・・・。
■作者プロフィール
壬生忠見(?〜?)
壬生忠岑の子。平安時代中期の人で、三十六歌仙のひとり。
「天徳四年内裏歌合」で平兼盛の歌に負け、物がたべられなくなる病気になって、死んだという話が伝わっています。