42番
出典:「後拾遺集」より
契
ちぎ
りきな かたみに
袖
そで
を しぼりつつ
末
すゑ
の
松山
まつやま
波
なみ
こさじとは
清原元輔
きよはらのもとすけ
■口語訳
あのとき、かたく約束したよね。おたがいに、よろこびの涙でぬれた袖を しぼりながら、あの「末の松原」を波がこすことはぜったいにないように、わたしたちの愛も永遠にかわることはないと・・・。
■作られたワケ
友だちが恋人に別れさせられました。しゅんとした友に、元輔はこの歌を作って、振った相手に届けたそうです。
■作者プロフィール
清原元輔(908〜990)
深養父の孫で、清少納言の父。河内権少壤という役人から周防守、肥後守になりました。
また、『万葉集』の訓読の仕事をしました。三十六歌仙にくわえられています。