46番
出典:「新古今集」より
由良
ゆら
の
門
と
を
渡
わた
る
舟人
ふなびと
かぢをたえ ゆくへも
知
し
らぬ
恋
こひ
の
道
みち
かな
曽禰好忠
そねのよしただ
■口語訳
由良の瀬戸をこぎ渡る船頭が、かいをなくして、行く先もわからず波にただよっている。 あの小舟のように、これからどうなっていくのかわからない、わたしたちの恋のゆくえ・・・。 わたしは不安でならないのだよ。
※由良の門・・・「由良」は京都府の由良川のこと。「門」は、かわの流れの出入り口。
■作られたワケ
曽禰は都にる恋人と離れて暮らしています(身分の低い役人だったので、主人に使えて引っ越したのでしょうか?)。 その恋人のことを思ってこの歌を作ったそうです。
■作者プロフィール
曽禰好忠(?〜?)
平安時代中期の人ですが、くわしい伝記はわかりません。
丹後掾
たんごのじょう
だったので、曽丹後とか 曽丹などとよばれました。変わり者だったといわれますが、歌は新鮮で、とてもすぐれています。