6番
出典:「新古今集」より

かささぎの わたせるはしに おくしもの                しろきをれば けにける
 中納言家持ちゅうなごんやかもち

■口語訳

七夕の夜、天の川にかささぎが掛け渡すという天上の橋。その 橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白におりているのを見ると、夜はしんしんと更けてい っているのだなあ。

■作られたワケ

冬の夜空を見ていた家持は、天の川に掛け渡す橋を思い起こし ていました。そして「その橋は宮中の御階(階段)にそっくりだそうな。」と思って作ったそうです。

■作者プロフィール

中納言家持(718〜785)
大伴家持。「万葉集」の編者の一人といわれています。もともと武人として朝廷に仕える 高い家柄で、家持も従三位中納言にまでなりましたが、藤原氏の勢力に押され晩年は不遇でした。


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