9番
出典:「古今集」より
はないろは うつりにけりな いたづらに             身世みよにふる ながめせしまに 
小野小町おののこまち
■口語訳

降りつづ春の雨に、桜の花のさかりをすぎ、 すっかり色をあせてしまいました。
かなえられぬ恋の思いにうちしずみながら、 降りつづく雨をぼんやりながめ暮らしているうちに,わたしの美しさも、 その花の色のように、こんなにおとろえてしまいました。
■作られたワケ

小野小町は美人で頭もよかったので、とてもモテていました。 でも在原業平のことが好きでしたので、男の人を振りつづけていました。
しかし、業平はそのことを知りません。 そのことを嘆いてこの歌を作ったそうです。
■作者プロフィール

小野小町(?〜?)
平安時代のはじめ、女官として宮廷に仕えていたといわれています。
たいへんな美人で、その美しさは着物をとおしてしてかがやいたそうです。
和歌にもすぐれ、六歌仙・三十六歌仙のひとりです。
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