
世界遺産に登録され、日本の重要伝統建造物群保存地区に指定されていた白川郷に多くの変化が訪れたのは安易に想像できることであろう。
まず、世界遺産登録により、合掌造りの屋根の葺き替えにかかる経済的援助を地域の団体や、地方公共団体、国から受けられるようになった。葺き替え作業には何万もかかるため、経済的援助は大変な利点となった。
次に、世界遺産という名称がつくことによって、また高速道路の発達により、今まで立ち寄りにくかった白川郷が観光客の気安い場所となり、多くの観光客が白川郷を訪れるようになった。その観光客の数は以下の表のように年々増加している。


このように多くの人が訪れるようになったことにより、白川郷、合掌造りでの生活を世界の人々に今まで以上に理解してもらえるようになった。五箇山の一部、相倉集落では世界遺産登録前は1万人〜2万人台、登録後は5万人〜6万人と推移されていて、3倍もの入り込み状況となった。
また、世界の重要な文化財と認められたことにより、村民の間での地域愛や誇りが持てるようになった、過疎化が止まったなど意識面におけるメリットに始まり、収入の増加、経済力の向上などのメッリトを導いた。
しかしその反面、観光客の増加によるゴミの増加、駐車場不足、火事などの環境問題、そして村内での経済格差が導かれることとなってしまった。
相倉集落では、近くの国道が数キロに渡り渋滞してしまい、平村の住民の通行に支障をきたした事もあるが、これは道路改良が行われ、改善した。平村などはもともと国指定史跡であった事もあり、観光客の増加によるゴミ問題は今のところ発生していない。しかし白川村では、一緒に登録された五箇山の村々より観光客が急増したため、小さな村だけではゴミの処理が賄いきれなくなってしまったり、ポイ捨てなどによる環境の悪化が懸念されたりすると同時に駐車場も足りなくなってしまった。しかし現在は自家用車の入場規制を行う事により周辺の渋滞や駐車場の不足を解消し、またゴミは持ち帰るよう呼びかけることにより状況は改善してきている。
注意:このページは決して観光客の白川郷への立ち入りを否定するものではない