上の3つの環境問題のほかには、スバルラインの渋滞による排ガスが引き起こす大気汚染などが、現在富士山の抱える深刻な環境問題となっている。
この根本的な原因は「富士山への車での入山(乗り入れ)」である。対応できる以上の登山客・観光客が訪れるため、環境悪化が進んでしまう。そこで、富士山ではお盆の間自動車の乗り入れ規制を行おうと協議会
が開かれた。

しかし…
協議会以前、規制期間はお盆の9日間であったが、協議会を通して、環境省側の提案で、期間延長がなされる予定だった。(実際、長野、白川郷などの地域では、自動車乗り入れ規制の成果が見られているため)しかし、協議によって出た結論は、1日だけ増え、10日間となった。

規制期間が延びなかったのは…
・富士山は観光業が栄えており「自動車の乗り入れ規制=営業妨害」という事に
 なりかねない現状がある
・地元の人々だけでなく、静岡県という県単位でも、有料道路(スバルライン)への
 車両規制は、県の収入を減らす事になってしまう
という2点からであった。

そして、最大限妥協した結果が10日間という結論となってしまった。

C自動車の乗り入れ問題

〜解決への道〜

現状は上で書いたとおり10日間という事になっている。富士山では、国立公園としては短すぎる規制期間の解決策として次のことをあげている。

アイドリングストップ
夏場78月には観光客はピークに達し、スバルライン等富士山5合目につながる道は、渋滞している。これは富士山周辺付近の大気汚染につながっていて、大変な環境問題となっている。そこで走行時のエンジンの停止を呼びかけ、大気汚染の緩和に努めている。

また、マイカー規制期間中には特別なバス・タクシーが運行していて、それらを運行している会社では、低公害車を使用することで大気汚染緩和に努めている。

今年(2004年)から環境税が適用され、マイカー規制時に運行しているバス・タクシーに対し、環境問題対策の資金が課税される。その他、入山者などから環境税として資金を徴収し、年間1億円の環境対策費と、大気汚染対策も期待されている。