焼却式トイレ

仕組み
し尿を、電力や燃料を使って焼却する処理方法。
加熱の際に、蒸発した水が発生し、その水分を洗浄水として使用する。

利点
燃やした後に汚泥は発生せず、少量の焼却灰のみが残るだけなので、回収が容易で、かつ不快感が少ない。また一定量たまった段階で焼却するので、常にエネルギーを流している必要は無い。
また、微生物に頼る方法ではないために、環境制限が少ない事も利点の一つといえます。


欠点
乱気流のために燃料の持ち運びが困難な富士山にとって、燃料を要するというのが最大の欠点である。

改善策
燃料を運ばずにその場で調達するというのが、解決の鍵となる。
現在考えられている発電方法→、風力発電・太陽光発電

一つの発電設備から多数のトイレに送電するのは、技術的に困難ということから、現在では個別のトイレや山小屋に、それぞれ風力・太陽光による発電設備を設けるということが、検討されている。


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バイオトイレ

仕組み
まず、人間が排泄した糞・尿、そして排泄物に含まれる病原菌がバイオトイレに設置されているおがくず(杉チップなど)の入った容器に入る。おがくずの入っている容器内には、空気が与えられている(もしくはさらされている)ので、微生物が生存しており、排泄物を分解し、肥料にする役割を果たす。その分解過程中にが発生し、その熱により、排泄物中の病原菌類は死滅し、最終的に安全な有機肥料ができる。

利点
燃料を必要としない微生物による分解のみに頼っているので、自然環境に与える影響が少ない

欠点
先ほども書いたが、実験により
バイオトイレは、おがくず(この場合杉チップ)中の水分が60%程度が
 コンポスト化の最適水分量なのにもかかわらず、山の上に位置するため、
 雨水によっておがくず中の水分量が増加してしまい、コンポスト化の効率
 が悪い。

1基当たり、1日50人しか処理できないため、実用化するには、登山者数
 (多い時で
30万人)に見合うだけの台数が必要となり、スペースを要し、
 コストもかかる。

低気圧のため、るアンモニア粒子が空気中に多く存在する事になり、
 刺激臭が強い

という、高冷地特有の問題が生じた。

改善策
微生物の活動条件を整えるための改善策としては、容器の、水や光に対する耐久性の強化が必要と考えられている。
コスト面に関しては、国が一時的に補助金を給付し、国が観光客から税金を徴収するという方法が考えられる。実際、今年から静岡県側で、富士山利用者を対象にした環境税の導入が決定した。
日本でも岐阜県三重県などで導入されています。徴収方法は地域によってそれぞれだが、富士山の場合、富士山スカイラインの通行車両からの徴収や岐阜県の乗鞍のように、マイカー規制(後述)を行った上で規制時に運行するシャトルバス・タクシーから徴収する予定。
低気圧のために起こる臭気対策としては、換気する器具などの設置が必要と考えられている。


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2種類のトイレ

バイオトイレ

焼却式トイレ

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